(PHP 4, PHP 5)
htmlspecialchars — 特殊文字を HTML エンティティに変換する
文字の中には HTML において特殊な意味を持つものがあり、 それらの本来の値を表示したければ HTML の表現形式に変換してやらなければなりません。 この関数は、これらの変換を行った結果の文字列を返します。 これは、日常的な Web プログラミングにおいて最も有用な変換を行います。 全ての HTML 文字エンティティを変換する必要がある場合には、代わりに htmlentities() を使用してください。
この関数は、掲示板やゲストブックなどでユーザが書きこんだテキストから HTML のマークアップ用文字を取り除く場合に有用です。
変換対象となる文字は以下の通りです。
変換される文字列。
オプションの 2 番目の引数 flags は、 シングルおよびダブルクオートされた文字や無効なマルチバイトシーケンスをどのように扱うかを指定します。 デフォルトの ENT_COMPAT は下位互換性のためのモードで、 ダブルクオートは変換しますがシングルクオートは変換しません。 ENT_QUOTES が設定されている場合は、シングルクオートとダブルクオートを共に変換します。 ENT_NOQUOTES が設定されている場合は、シングルクオートとダブルクオートは共に変換されません。 さらに、5.3.0 以降ではこれらの定数を ENT_IGNORE と組み合わせることができるようになりました。 ENT_IGNORE と組み合わせると、 無効なコードシーケンスが含まれる文字列を渡した場合に 空の文字列を返すのではなく無効な部分を切り捨てるようになります。 脆弱性の元となることがあるので、これは使わないようにしましょう。
変換に使用される文字セットを指定します。 デフォルトの文字セットは、ISO-8859-1 です。
この関数を使ううえでは ISO-8859-1 と ISO-8859-15、 UTF-8、cp866、 cp1251、cp1252 そして KOI8-R は事実上同等です。これらの文字セットでは、 htmlspecialchars() の影響が及ぶ文字がみな同じ位置にあるからです。
PHP 4.3.0 以降では、以下の文字セットをサポートします。
文字セット | エイリアス | 説明 |
---|---|---|
ISO-8859-1 | ISO8859-1 | 西欧、Latin-1 |
ISO-8859-15 | ISO8859-15 | 西欧、Latin-9 。Latin-1(ISO-8859-1) に欠けている ユーロ記号やフランス・フィンランドの文字を追加したもの。 |
UTF-8 | ASCII 互換のマルチバイト 8 ビット Unicode 。 | |
cp866 | ibm866, 866 | DOS 固有のキリル文字セット。 4.3.2 以降でサポートされます。 |
cp1251 | Windows-1251, win-1251, 1251 | Windows 固有のキリル文字セット。 4.3.2 以降でサポートされます。 |
cp1252 | Windows-1252, 1252 | 西欧のための Windows 固有の文字セット。 |
KOI8-R | koi8-ru, koi8r | ロシア語。4.3.2 以降でサポートされます。 |
BIG5 | 950 | 繁体字中国語。主に台湾で使用されます。 |
GB2312 | 936 | 簡体字中国語。国の標準文字セットです。 |
BIG5-HKSCS | Big5 に香港の拡張を含めたもの。繁体字中国語。 | |
Shift_JIS | SJIS, 932 | 日本語。 |
EUC-JP | EUCJP | 日本語。 |
注意: これら以外の文字セットは理解できず、かわりに ISO-8859-1 を使用します。
double_encode をオフにすると、PHP は既存の html エンティティをエンコードしません。 デフォルトでは、既存のエンティティも含めてすべてを変換します。
変換後の文字列を返します。
バージョン | 説明 |
---|---|
5.2.3 | double_encode パラメータが追加されました。 |
4.1.0 | charset パラメータが追加されました。 |
例1 htmlspecialchars() の例
<?php
$new = htmlspecialchars("<a href='test'>Test</a>", ENT_QUOTES);
echo $new; // <a href='test'>Test</a>
?>
注意:
この関数は上記のあげたもの以外に関しては一切の変換を行わないことに注意してください。 すべての変換を行うには htmlentities() を参照してください。