routing.yml 設定ファイル
ルートは routing.yml
ファイルのなかで定義できます。
アプリケーションの routing.yml
ファイルは apps/APP_NAME/config/
ディレクトリに配置されています。
routing.yml
ファイルには、名前つきルート定義のリストが用意されています。
[yml]
ROUTE_1:
# ルート1の定義
ROUTE_2:
# ルート2の定義
# ...
リクエストがやってくると、ルーティングシステムはリクエストされた URL がルートとマッチするか試します。最初にマッチするルートが優先されるので、routing.yml
ファイルにおけるルートの記載順は重要です。
routing.yml
ファイルが読み込まれるとき、それぞれのルートは class
クラスのオブジェクトに変換されます。
[yml]
ROUTE_NAME:
class: CLASS_NAME
# ルートが存在する場合のコンフィギュレーション
class
クラスは sfRoute
基底クラスを継承しなければなりません。クラスが指定されていなければ、sfRoute
基底クラスがフォールバックに使われます。
NOTE
routing.yml
ファイルのキャッシュは PHP ファイルとして保存されます。処理はsfRoutingConfigHandler
クラスにゆだねられます。
ルートクラス
メインのコンフィギュレーション
sfDoctrineRouteCollection
ルートのコンフィギュレーション
ルートを細かく調整できるようにするために、routing.yml
ファイルは複数のコンフィギュレーションをサポートしています。sfRoutingConfigHandler
クラスによってそれぞれのルートがオブジェクトに変換される際にこれらの設定項目は使われます。
~class
~
デフォルト: sfRoute
(もしくは type
に collection
がセットされている場合は sfRouteCollection
です。下記の節をご参照ください)
class
設定はルートに使われるルートクラスを指定します。
~url
~
デフォルト: /
url
設定はリクエストされた URL に対するパターンマッチに使われるルートのパターンです。
パターンは複数のセグメント (構成要素) からなります。
- 変数 (コロン
:
をプレフィックスとする単語) - 定数
- キーと値のペアのシーケンスにマッチするワイルドカード (
*
)
それぞれのセグメントはあらかじめ定義されている区切り文字の1つで区切らなければなりません (デフォルトは /
もしくは .
)。
~params
~
デフォルト: 空の配列
params
設定はルートに関連づけられたパラメータの配列を定義します。これらのパラメータは url
で指定されている変数、もしくはこのルートに関連づけられた変数のデフォルトになります。
~param
~
デフォルト: 空の配列
この設定は params
設定と同等です。
~options
~
デフォルト: 空の配列
options
設定はふるまいを細かくカスタマイズするためにルートオブジェクトに渡すオプションの配列です。次の節では、それぞれのルートクラスで利用可能なオプションを説明します。
~requirements
~
デフォルト: 空の配列
requirements
設定は url
変数が満たさなければならないルート要件の配列です。キーは url
変数で指定され、値はこの変数のパターンマッチに使われる正規表現です。
TIP 1つの正規表現は別の正規表現に含まれるので、区切り文字で囲んだり、値全体がマッチするようにキャレット (
^
) もしくはドル記号 ($
) をつける必要はありません。
~type
~
デフォルト: null
type
設定に collection
がセットされている場合、ルートはルートコレクションとして読み込まれます。
NOTE
class
の名前に単語のCollection
が含まれる場合、コンフィギュレーションハンドラによってこの設定にcollection
が自動的にセットされます。このことが意味するのは、ほとんどの場合において、この設定を変更する必要はないということです。
~sfRoute
~
すべてのルートクラスは sfRoute
基底クラスを継承しなければなりません。この基底クラスは必須のルート設定を提供します。
~sfRequestRoute
~
~sf_method
~
デフォルト: get
sf_method
オプションは requirements
配列に使われます。このオプションによって、ルートのパターンマッチのあいだに HTTP リクエストが強制されます。
~sfObjectRoute
~
sfObjectRoute
ルートクラスのオプションを指定する場所は routing.yml
ファイルの options
設定の範囲に入っていなければなりません。
~model
~
model
オプションは必須オプションであり、現在のルートに関連づけられたモデルクラスの名前です。
~type
~
type
オプションは必須オプションであり、モデルに必要なルートの種類です。このオプションは object
もしくは list
のどちらかになります。object
型のルートは単独のモデルオブジェクトをあらわし、list
型のルートはモデルオブジェクトのコレクションをあらわします。
~method
~
method
オプションは必須オプションです。このオプションはモデルクラスのなかでこのルートに関連づけられたオブジェクトを検索する際に呼び出されるスタティックメソッドです。このメソッドは、パースされたルートのパラメータを引数にとります。
~allow_empty
~
デフォルト: true
allow_empty
オプションに false
がセットされている場合、model
の method
が呼び出された際にオブジェクトが返されなければ、ルートは404エラーの例外を投げます。
~convert
~
デフォルト: toParams
convert
オプションは、モデルオブジェクトに応じてルートが生成される場合において、モデルが適切なパラメータの配列に変換される際に呼び出されるメソッドです。このメソッドが返す配列には、少なくともルートパターンの必須パラメータが要素として含まれていなければなりません (url
設定で定義されます)。
~sfPropelRoute
~
~method_for_criteria
~
デフォルト: コレクションには doSelect
、単独のオブジェクトには doSelectOne
method_for_criteria
オプションは、現在のリクエストに関連づけされたオブジェクトを検索する際にピアクラスによって呼び出されるメソッドを定義します。このメソッドはパースされたルートのパラメータを引数にとります。
~sfDoctrineRoute
~
~method_for_query
~
デフォルト: none
method_for_query
オプションは現在のリクエストに関連づけされたオブジェクトを検索する際にモデルを呼び出すメソッドを定義します。このメソッドは現在のクエリオブジェクトを引数にとります。
このオプションに値がセットされていなければ、execute()
メソッドによるクエリの「実行」だけがおこなわれます。
~sfRouteCollection
~
sfRouteCollection
基底クラスはルートのコレクションをあらわします。
~sfObjectRouteCollection
~
~model
~
model
オプションは現在のルートに関連づけられたモデルクラスの名前で必須です。
~actions
~
デフォルト: false
actions
オプションはルートに許可されるアクションの配列を定義します。アクションは利用可能なすべてのアクションの部分集合に含まれていなければなりません (list
、new
、create
、edit
、update
、delete
そして show
)。
このオプションと with_show
オプションの両方に false
がセットされている場合、show
アクション以外のすべてのアクションが利用可能になります (下記をご参照ください)。
~module
~
デフォルト: ルートの名前
module
オプションはモジュールの名前を定義します。
~prefix_path
~
デフォルト: ルートの名前の前につく /
prefix_path
オプションはすべての url
パターンのプレフィックスを指定します。このオプションがとる値は、任意の有効なパターンであり、変数と複数のセグメントです。
~column
~
デフォルト: id
column
オプションはモデルオブジェクトの一意性をあらわす識別子に使うモデルのカラムを定義します。
~with_show
~
デフォルト: true
with_show
オプションに true
がセットされていれば、actions
オプションに false
がセットされている場合でも、ルートに許可されるアクションのリストに show
アクションを加えることができます。
~segment_names
~
デフォルト: array('edit' => 'edit', 'new' => 'new'),
segment_names
オプションは edit
と new
アクションの url
パターンに使われる単語を定義します。
~model_methods
~
デフォルト: 空の配列
model_methods
オプションはモデルからオブジェクトが検索される際に呼び出されるメソッドを定義します (sfObjectRoute
ルートクラスの method
オプションをご参照ください)。実際には、このオプションは list
と object
メソッドを定義する配列です。
[yml]
model_methods:
list: getObjects
object: getObject
~requirements
~
デフォルト: column
に対して \d+
requirements
オプションはルート変数に適用されるルート要件の配列を定義します。
~with_wildcard_routes
~
デフォルト: false
with_wildcard_routes
オプションは2つのワイルドカードのルート (1つは単独のオブジェクト、もう1つはオブジェクトコレクション) を通じてアクションにアクセスできるようにします。
~route_class
~
デフォルト: sfObjectRoute
route_class
オプションはコレクションに使われるデフォルトのルートオブジェクトをオーバーライドします。
~collection_actions
~
デフォルト: 空の配列
collection_actions
オプションはコレクションルートで利用可能な追加アクションの配列を定義します。キーはアクションの名前で、値はそのアクションに対して有効なメソッドです。
[yml]
articles:
options:
collection_actions: { filter: post, filterBis: [post, get] }
# ...
~object_actions
~
デフォルト: 空の配列
object_actions
オプションはオブジェクトルートで利用可能な追加アクションの配列を定義します。配列のキーはアクションの名前で、値はそのアクションに対して有効なメソッドです。
[yml]
articles:
options:
object_actions: { publish: put }
# ...
~sfPropelRouteCollection
~
sfPropelRouteCollection
ルートクラスは sfRouteCollection
基底クラスを継承し、デフォルトのルートクラスを sfPropelRoute
に変更します (上記の route_class
オプションをご参照ください)。
~sfDoctrineRouteCollection
~
sfDoctrineRouteCollection
ルートクラスは sfRouteCollection
基底クラスを継承し、デフォルトのルートクラスを sfDoctrineRoute
に変更します (上記の route_class
オプションをご参照ください)。